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法律Q&A

当事務所の法律Q&Aを紹介します。

法律Q&A

私は80歳です。財産としては、不動産と預貯金が3000万円程度あります。私の夫はすでに他界していますので、相続人は、娘と息子になります。娘は私の近くに住んでくれ、ほぼ毎日私の家に来て、身の回りの世話をよくしてくれます。しかし、息子は特に結婚してから何もしてくれず、もう何年も顔も見せません。どうやら嫁が来たがらないそうなのです。そのせいで可愛い孫の顔もしばらく見ることができません。ですから、私の財産はすべて娘に相続させたいと思っています。どのようにすればいいでしょうか。

何もしておかないと、財産の半分を息子さんが相続することになります。すべて娘さんに相続させるという遺言を作成することが考えられますが、息子さんには遺留分がありますから、息子さんが請求すれば、財産の4分の1は息子さんのものになってしまいます。そこで、息子さんの遺留分の請求に対してどうするかを考えておかなければなりません。
まず、遺留分を放棄してもらうことが可能です。被相続人の生前に相続放棄をすることはできませんが、遺留分は裁判所の許可があれば、生前に放棄することができます。しかし、息子さんご本人が放棄してくれなければできません。
次に、死後に相続放棄してもらうことが考えられます。相続放棄は、原則、相続開始から3か月以内に家庭裁判所に申し出ればできますので、それをしてもらうように約束しておくことが考えられます。しかし、息子さんが約束してくれるかどうかわかりませんし、約束しても守ってくれるかどうかわかりません。
そこで、廃除することが考えらます。廃除とは、相続人が、被相続人に対して、虐待若しくは重大な侮辱を加えたとき、その他、著しい非行があったときに、裁判所に請求することにより、その相続人の遺留分請求権を失わせることをいいます。なお、死亡後に廃除を行う場合は、遺言書で行わなければなりません。
また、死亡後に、娘さんと息子さんができるだけもめないようにするためにも、すべて娘さんに相続させることはあきらめ、予め息子さんの遺留分も考慮した遺言書を作成しておく方法もあります。たとえば、不動産については絶対娘さんに取得してほしい場合、不動産は娘さんに相続させ、預貯金のうち、すべての財産の4分1程度の額を息子さんに相続させる内容の遺言書を作成するのです。
このように、死亡後に、相続人間でできるだけ紛争にならないようにしつつ、ご自分の意思を実現できるようにする準備が必要です。

成人している息子が逮捕されました。知人を殴ってしまったようです。どうしたらいいでしょうか。

すぐに弁護士に依頼し、とりあえず接見に行ってもらった方がいいです。息子さんご本人から話を聞き、また息子さんご本人の意向を聞いて、弁護人に選任されるかどうか決めます。
弁護人としてやることは、まず事実関係を確かめます。そのような事実はなく、誤った逮捕の可能性もあるからです。
誤った逮捕の場合、早期に身柄を釈放させるために活動します。逮捕されて検察官に送致されるまでの時間は48時間です。その間に、検察官に働きかけ、勾留請求しないように活動します。それでも勾留されてしまった場合、勾留を解くために活動しますし、虚偽の自白をさせられないような活動をします。
さらにそれでも起訴された場合、無罪を主張して、公判で争います。
実際に知人を殴り、けがをさせてしまった場合、大切なのは被害者との示談です。起訴される前に示談できれば、処分保留で釈放されたり、罰金で済む場合もあります。
また、けがをさせたのが事実だとしても、正当防衛が成立する可能性もあります。そのような場合は、無罪ですから、それを主張して争うことになります。
起訴された場合、条件が整えば、保釈で早期に日常生活に戻ることができる場合もあります。
このように、弁護士ができることはたくさんありますが、できるだけ早く弁護士に相談して動いてもらった方がいいです。

最近、遠方で独り暮らしをしていた父が、複数の知人に多額の金銭を贈与していたことが分かりました。父に話を聞いてみても要領を得ないので、病院に連れて行ったところ、認知症と診断されました。今までに贈与したお金を返してもらうことはできますか。

行為の結果を判断するだけの精神能力がない人のした行為は、法律上無効とされています。ですので、お金を贈与した当時、お父さんが認知症によってこの能力を欠いていた場合、贈与は法律上無効となります。
そして、お父さんが認知症により判断能力を全く失っているような状態であれば、成年後見人の制度を利用することができます。この制度は、判断能力を欠く常況にある人について、家庭裁判所が後見開始の審判をして、本人の権利を守るために成年後見人を選任するものです。成年後見人には、代理権・取消権が与えられます。
よって、お父さんに成年後見人がついた場合、成年後見人がお父さんに代わって贈与の無効を主張し、金銭の返還を求めることが可能です。また、今後お父さんが同じように贈与をしたとしても、その贈与を取り消すことができるようになります。
ただし、お父さんが贈与をした相手や額がはっきりしなかったり、相手方が既に金銭を使い切ってしまっていたりした場合、実際には贈与した金銭を取り戻すことは困難です。 高齢のご親族が独り暮らしをされているような場合は、このような事態に備え、事前に任意後見契約を利用することを検討された方がよいと思われます。

3年前に死亡した父の遺産分割の際、今後は母と同居して母の面倒を見るという約束で、兄が父の一切の財産を相続しました。しかし、兄は財産を相続した後、母と同居もせず一人で気ままに遊んで暮らしています。約束が違うので、もう一度遺産分割をやり直すことは出来ないでしょうか。なお、父の相続人は、母、兄、私の3人です。

遺産産分割協議は、相続人全員の合意により成立します。判例によれば、遺産分割協議は一度有効に成立すれば、無効や取消の原因がない限り、原則として解除することはできないとされています。やり直しをすると、死亡時=相続開始時にさかのぼって発生していた遺産分割の効果がさかのぼってなくなってしまい、法律関係がややこしくなり、相続人やそれ以外の人も遺産分割の結果を信頼して行動できなくなってしまうからです。
ですから、お兄さんがお母さんの面倒を見るという約束を守らなかったとしても、原則として、あなたやお母さんが遺産分割協議を解除してやり直しを求めることはできません。
もっとも、お兄さんが同意すれば、遺産分割協議を解除し、新たに遺産分割をすることはできます。しかし、お母さんの面倒を見るという約束を守らないようなお兄さんであれば、なかなか話し合いには応じないものと思われます。
このように、遺産分割協議はいったん成立すると、やり直すことは困難ですので、遺産分割協議を行う際には、事前に弁護士に相談するなどして後々のトラブルが起きないよう注意して下さい。

25年間結婚してきた夫との離婚を考えています。これまで専業主婦であった私にはほとんど自分名義の財産がありません。夫に財産分与を請求できると聞きましたが、具体的にどのような財産を分けてもらえるのでしょうか。

財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた共有財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。婚姻生活中に、夫婦で協力して築き上げた財産については、原則として夫婦いずれの名義であるかにかかわらず共有財産として扱われることになります。
ですので、夫婦共有名義で購入した不動産や生活に必要な家財道具などが共有財産にあたることはもちろん、いずれかの名義になっている預貯金や不動産、自動車、株式などの有価証券も共有財産になります。
それ以外にも、生命保険の解約返戻金や既に支払われている退職金も、婚姻期間に相当する保険料支払期間分・勤務期間分は対象になります。また、近い将来支払われる予定の退職金も、支払われる可能性の高さに応じて対象となることもあります。あなたのように婚姻期間が長ければ、夫の退職が数年後に迫っている可能性がありますから、まだ退職金が支払われていなくても、見落とさないようにしてください。
さらに、財産分与とは少し性質が違うのですが、婚姻期間中の年金保険料の納付実績の分割を受けることもできます。ただし、年金分割は厚生年金や共済年金部分の納付実績が対象となるので、夫が国民年金の場合には分割を請求できません。また、分割されるのはあくまで「納付の実績」のため、実際に年金が受け取れるのは、あなたが年金を受け取れる年齢になってからですので、離婚後の生活設計を行うにあたって注意が必要です。
なお、財産分与の対象となる財産は、原則として「別居時」を基準に確定されます。そのため、離婚前であっても、別居後に取得された財産については、財産分与の対象にはならないと考えられています。ですので、あなたが既にご主人と長期間別居されている場合には、財産分与の対象にならない財産も増えてきますので、この点もご注意ください。

私は家を購入し、住宅ローンがあと2000万円残っています。3年前にリストラにあい、再就職するまでの間、失業保険だけでは生活費に足りず、金融機関5社から借金をしてしまいました。その後再就職して現在は安定した収入があるのですが、前の会社より給料は安く、借金の返済も利息ばかり払っている感じでなかなか減りません。毎月返済するのが厳しく、住宅ローンも2か月滞納しています。来年には娘が進学するのでお金がかかります。妻はパートをしてくれていますが、今後収入が増えることは見込めません。このままでは借金の返済ができなくなります。私には子どもが3人おり、今の家は何とか維持したいと思っております。どうしたらよいでしょうか。

まず、サラ金等から借金をしている場合、かつては利息制限法を超える利息で貸し付けている業者がいる可能性があり、過払いになっていることがあります。その場合、過払金を回収して他の借金の返済に充てることができるため、生活再建に非常に役立ちます。
しかし、取引期間が3年程度ですと、過払いになっている可能性は非常に低いです。家を維持したいとのことですので、自己破産ではなく、個人再生がよいでしょう。これは、裁判所に申し立てて、住宅ローン以外の債務を約5分の1に減縮し、3年ないし5年で分割返済していくものです。安定した収入があり、減縮した債務を返済する能力があるのであれば、この方法がベストでしょう。
なお、住宅ローンは圧縮されませんが、滞納している場合やたとえばボーナス払いをなくして月々の返済を同額にならすというようなリスケジュールを銀行と交渉してすることも可能です。また、弁護士費用を支払うのも大変でしょうから、法テラスの審査に通れば、援助制度を利用すればよいでしょう。法テラスの基準の金額で、分割払いで弁護士に委任することができます。審査が通らない場合、ご相談のうえ当事務所で分割払いでお受けします。